桃山期の青織部筒向付です。

松菱型の器形に円形の首の高い高台が
南蛮食器を模した桃山期の流行りの意匠を偲ばせます。

織部釉は還元焼成の具合か、流れた玉垂の銅緑釉が辰砂に赤く窯変。口辺の回りも辰砂が表れる。

鬼板の鉄絵紋様はわらび、籠目、松の実でしょうか。
盛期織部に散見される紋様たち。
時代が下る織部の鋭い角とわざとらしさやいやらしはとは無縁で皆無。桃山期の織部にしかない複雑な器形なのに角がなくおおらかさをもつ器体。

堅牢に焼き締まった器体にはニュウやカケが無い。
高台にわずかなカケがあるがキズには入らないでしょう。
伝世にしかない箱書には火入とありますが口縁も無傷です。酒器や懐石にこそふさわしく思います。

無傷の織部は一流の古美術商からでないともうほとんど入手は難しくなっています。

器体寸法 幅105mm×奥行82mm×高さ86mm
高台径 φ61mm


次のコレクションのために手放します。価値を共有できる方へ渡れば幸いです。
入札、落札価格によっては取り消すこともあるかもしれません。そこをご了承いただいたものとして入札をお受けいたします。

同時に総織部の盃も出品しています。
そちらもぜひご覧いただければ幸いです。